500マイル / 河原和音 

500マイル (マーガレットコミックス (2556))
電車をからめた物語3篇を収めた短編集。
高校生や大学生の女の子が主人公で、通学電車で見かける男の子への片思いや、サークルで知り合った彼氏との恋、通学で使う駅の駅員さんとの恋を描く。


お気に入りは、高校生の女の子が電車で見かける男の子に片思いする話。
途中で一度主人公の女の子が振られてしまうところが現実的で、初読の時は新鮮な驚きがあった。
あと、振られた後に主人公が友達に話す
「こんなこともあったなって 思い出してもらえるかもしれないからね 
 それだけでも見てるだけより ずっとよかった」
という台詞も切ないが良かった。
台詞に重なる「空想みたいだった恋が現実に変わったんだもの」というモノローグも、それで諦めようとするところも。


他の話もほのぼのでき、良い短編集である。
身近な存在の電車を通して描かれているからかもしれないし、出てくる女の子が皆恋に一生懸命な感じで可愛いからかもしれない。