2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 新釈 走れメロス 他4編

表題作の他「山月記」「藪の中」「桜の森の満開の下」「百物語」のリミックス。 装丁もちょっとレトロで色合いが綺麗で、良いなと思った。特に好きな話を。 走れメロス 原作では身代わりとなった友の元へ約束通り駆けつけることで友情を暴君に認めさせるけれ…

 もしもし、運命の人ですか。

恋愛における様々な出来事、場面を時にロマンチックに、時にユーモラスに綴ったエッセイ。 くすりと笑えたり、共感できたり、「うーん、そうかな?」と思ったり、色々な楽しみ方が出来る。 特に好きな章を。 好意の数値化 もし気になる異性の額に、自分への…

 猫町 / 萩原朔太郎

張り詰めた美しさの漂う、猫ばかりの町。 束の間に詩人が目にしたその光景の描写が幻惑的で怖い。 猫が現れるまでの緊迫した描写は神経症的でもある。 タイトルからはメルヘンというか、もう少し可愛らしい物語を想像していたが、むしろ「世にも奇妙な物語」…

 押絵と旅する男 / 江戸川乱歩

列車で出会った、押絵と旅をする老人。 老人が語ったのは、彼の兄の不思議な恋物語だった。 中学生の時に初めて読み、老人の兄だった青年の恋やつれの描写に怖いようなドキドキするような気持ちがしたのを覚えている。 恋の病という言葉があるが、確かに病的…