2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 光の川(「TIME」、best盤収録)

ヘッドライトの光の川のなかで、束の間「君」を見かける。 でも何を言えるわけでもなく、再び遠ざかっていく。 そんな一瞬のすれ違いを歌った歌。 渋滞の最中に、他の車の助手席にいる「君」とゆっくりすれ違う。 そんな状況でも「見まちがうわけはない」人…

 笑う大天使 

名門お嬢様学校の聖ミカエル学園に通う、清らかで上品な3人の乙女。 ある時偶然に互いの逞しく庶民的な本性を知り、親近感と連帯感を深めていく。 そんな彼女達が活躍する学園コメディ。 番外編になるようだけれど、印象的だったのは、ロレンス先生の友人お…

 不思議なマリナー(『空の食欲魔人』収録)

気持ちがトゲトゲしたり滅入ったりした時、川原作品を読むとちょっと心穏やかになれる気がする。 色んなことに対して、まあいーか…なんて思えてくる。 のほほんとしたキャラクター、ほのぼのしたストーリー。そこはかとなく漂うユーモア。 でも意外と泣かし…

 コッペリア / 加納朋子

[rakuten:book:11879532:image] 人形に恋をした青年の前に、人形そっくりの女が現れる。 自分が本当に求めているのは人形か女か分からないまま、女を追い始める青年。 青年、女、女のパトロン、人形師…何人もの人間の過去や思惑が交錯して物語は進む。 雑誌…

 私の美の世界 / 森茉莉

独特の古風な文体で綴られる、日常のあれこれ。 話題は料理にお菓子、雑貨や服や文学、時事問題まで。 漢字使いなど独特で、美しい日本語だなと思った。 初版1968年と結構古いが、今でもおかしくないような鋭い意見の綴られている章も多く、結構読み応え…

 てぬのほそみち 

「てぬ」とは「手抜き」の意。いかにラクチンに「手作り」を楽しむかがコンセプト(?)のコミック・エッセイ。 本書で作ってみようと取り上げられるのは、お菓子にアクセサリーに洋服に…と色々である。 読むだけでも楽しいけれど、実際に自分も作ってみたい…

 アナ・トレントの鞄

映画『ミツバチのささやき』で、アナ・トレントが持っていた鞄が欲しい。そう思い立って、作者は旅に出る。 本書は、その旅の途中で見つけた不思議なもののカタログである。添えられた文も淡々としているが味わい深い。 特に好きなものを。 七つの夜の香り …

 小生物語 

乙一氏のHP上の日記を1冊にまとめたもの。 あとがきいわく、架空の語り手である「小生」が綴る虚実入り乱れた内容らしい。 どこまでが事実でどこからが創作か読者には分からないけれど(さすがに創作だろうと思うものもあるが)、境目が曖昧だからこそ面白…

 Heaven?

駅・住宅地・オフィス街すべてから遠く、何より理想のサービスから遠い、墓地の中にあるフレンチレストラン「ロワン・ディシー(この世の果て)」が舞台のオムニバス形式のコメディ。 淡々としたストーリーながら笑い所が結構あって面白い。 主人公の伊賀君…