光の川(「TIME」、best盤収録)

ヘッドライトの光の川のなかで、束の間「君」を見かける。
でも何を言えるわけでもなく、再び遠ざかっていく。
そんな一瞬のすれ違いを歌った歌。


渋滞の最中に、他の車の助手席にいる「君」とゆっくりすれ違う。
そんな状況でも「見まちがうわけはない」人であり、「何か叫ぼうと身を乗り出した」ような、でも「たったひとつの言葉もうかばない」ような相手(歌詞より)。
追いかけようとしても、相手の姿はまたすぐに消えてしまう。
乾いた感じのサウンドが感傷に流れ過ぎるのを抑えてくれるが、歌詞自体はやるせない。


小説や映画なら何かの伏線やきっかけになりそうな偶然が、時々ある。
でも現実は大抵ただすれ違うだけで、偶然は単に偶然で終わる。それは時に切ないことだけれど。


こちらで視聴可能。