音楽

 We wish you a Merry Christmas

もうじきクリスマスである。 イルミネーションで街が華やかになり、赤と緑の雑貨は可愛いく、誰かのために贈り物を選ぶ人の顔は優しく見える。 12月頃から至るところで流れるクリスマスソングも、割りに好きだったりする。子供の頃のクリスマスを思い出させ…

 SPIRIT

アップテンポなメロディで、夏のドライブ中に流すと気持ち良さそうな爽やかな曲。 勇気を出して新しい場所に飛び込んでいこうとしているような、割と前向きな「ぼく」の心情が綴られている。明るいメロディもあいまって、聴いているこちらも顔をあげて口ずさ…

 8月のセレナーデ

淡々としているが清涼感のある綺麗なメロディに、気の向くままに口ずさんだ独り言のような歌詞。夏の夜のBGMによく合う一曲。 「君」は多分「ぼく」の恋人だろうけれど、それにしては少々ドライである。 「もしも君がいなくなってしまったら たとえばネコ…

 サヨナラ

乾いた感じの、どちらかというと淡々としたメロディ。 にも関わらず、聞いていると妙に胸を締め付ける切なさがある曲。 互いに冷めてしまったことに気づかないフリを続けた挙句、ついに別れに踏み切る恋人同士のような状況が歌詞から浮かぶ。 それでいてまだ…

 クライマックス

自嘲気味なくらい明るいメロディと、自分を俯瞰で見ているような歌詞が印象的な失恋ソング。 「いまぼくはもしかすると 世間一般で言ういわゆる 『ふられてしまう』というクライマックスに遭遇している…?」 という冒頭は、恋人から別れを切り出されている「…

未来 

爽やかなサビと、それ以外のメロディや歌詞にややギャップがある。しかしねじくれたようなメロディ・歌詞が一転、夏らしい清涼感のあるサビにつながるところは爽快。(以下「」引用) 荒れ果てた場所でヒッチハイクをしている僕、という抽象的なメタファーで…

 Nobody knows

「君」と戻る場所を失った「僕」が、これまでの日々との決別を一歩引いた目線で綴ったような歌詞が印象的。(以下「」引用) 「さらば昨日までの口づけよ さらば愛しき胸の痛みよ」 と感傷に流れそうな冒頭から一転、 「まぁ それはそれとしてだ なんとか今…

タイムマシーン (『PARADE』収録)

もしタイムマシーンがあったらどうする?十数年ぶりに偶然出てきたCDをきっかけに、そんな想像をつらつらと歌った曲。(以下「」部分は引用) 「あの時好きだと言えなかったことかな…」 「あの日の許せない言葉と あいつら消そうか…」 なんてアレコレ考え…

 スノースマイル / Bump of chicken

今のような、ひどく寒い、雪のちらつく時期にはぴったりな歌である。 歌詞の内容は雪を待つ「君」と、雪が降らなくても一緒にいるだけでいいと感じている「ぼく」のラブソングなのだけれど、なぜか雪降る中の二人のイメージである。 静かだが温かなメロディ…

 White christmas / Bing Crosby

街の其処彼処で、赤や緑で彩られた小物やイルミネーションを見るようになった。もうじきクリスマスだなあと思う。 そして毎年流れるクリスマスソングを聞くと、今年もそんな季節になったんだという気持ちと、どこか懐かしいような気持ちが入り混じる。 小さ…

 Na・de・Na・de ボーイ(『さざなみCD』収録)

骨太なギターサウンドに、たたみ掛けるように早口で語られる歌詞。 でも歌詞の内容はなんだか甘くて、恋の始まりの楽しくてハイな感じもする。 アルバムのなかでもタイトルから一番興味を惹かれたのがこの曲(なにしろnadenadeボーイ、どんな曲かと思った。…

 たとえば朝のバス停で (『4Flusher』収録)

昔の級友や先輩、恩師や元上司など、以前は毎日のように顔をあわせていたのに今は会うことも無い人たちは結構いる。 ときどき、あの人達はいったいどこに行ったんだろう?と思うことがある。 この歌はそんな「いつの間にか会わなくなった人達」への呟きのよ…

 猫になりたい(『花鳥風月』収録)

ふわふわしたメロディに優しい歌詞に甘い声で、なんだか眠気を誘われる。 退屈だとか飽きるという訳ではなく、安心したりリラックスすると眠くなる感じ。 でも「消えないように 傷つけてあげるよ」なんてドキッとするフレーズもあるのがスピッツらしい気がす…

ランニングハイ

初めて聞いたとき、甲と乙の会話(自問自答?)で始まる歌詞に面白いなあと惹かれた。 全体的にも、ひねくれた感じや生々しさが結構前面に出ているように思う。 ふとした時に我に返る瞬間の描写も入っていて味を感じる。 「あれッ 俺ッ何してんだろ? … 太陽…

 始発列車 / ゆず (シングル『いつか』収録)

明け方の街で始発列車を待っている描写から始まり、歌詞は「君」とふたりでいた過去のイメージと、それを思い出す今の「ぼく」が入り混じる。 明るく軽快なメロディと裏腹に、なかなかに切ない。→歌詞全文はこちら 歌詞は全体的にいいなと思うけれど、 「言…

 ジュテーム?(『ハヤブサ』収録)

繊細なギターの音色と声の調和が、しみじみと味わい深いバラード。 静かな夜に、部屋で耳を澄ませて聞きたくなるような曲である。 こういうささやくような唄い方は、マサムネさんの声の良さが際立つなぁと思う。 「君がいるのは ステキなことだ やさしくなる…

 星がきれい / The Little Monsters Family

秋から冬にかけては、空気が澄んで月や星が綺麗に見えるという。 冷たい空気の中で、白い息を吐きながら夜空を見上げるとなんだか心がしんとするが、そんな時にふと聴きたくなる曲である。 どこかクリスマスを連想させるメロディ、ゆずのふたりの透明感のあ…

 お別れにむけて(『Family』収録)

ゆっくりとしたメロディに、ぽつりぽつりと呟く独り言のような歌詞。シンプルで淡々とした曲なのに、やけに切ない印象が残る。 タイトルはこれからの別れを連想させるが、すでに「ぼく」と「君」は別々の世界にいる。 「新しい世界」にいる「君」と、そこか…

 愛について

シンプルで温かい雰囲気のラブソング。日に日に空気が冷えて、澄んでいくような冬のはじめにはまる。 「ただ1つ 木枯らしに凍える日には かじかんだ手を温めてほしい」、冒頭からいいなと思う歌詞である。 この曲のイメージは、そのまま自分が思うところの…

 金魚花火 / 大塚愛

しっとりしたメロディが印象的で、夏の終わりの雰囲気が漂う。実らない恋心を情景描写を交えて歌った曲。 美しいけれど儚い印象の歌である。 夏の夜、ほんのつかの間に想い人と花火を見ている情景を切り取った歌詞は、いかにもひと夏の短い恋を思わせる。 恋…

 ルキンフォー

ふわふわして時々ねじれたような音が、繰り返し聞くうちにくせになる。 ぼんやりとした春の憂いのような、独特のメロディラインである。少し切ないけれど、前を向いて進もうとする歌詞もいいなと思う。 「だめなことばかりで 折れそうになるけれど 風向きは…

 群青

夏らしい爽やかな歌。 シンプルなメロディが初期の「ヒバリのこころ」をちょっと思い出させる。 きれいで伸びのいい高音の声と、散文詩のような歌詞が聞いていて心地良い。 最初は、いい曲だけれどそれほど好きな感じの曲でもないな、カップリング(「夕焼け…

 Hello, my friend / 松任谷由実

夏の終わりに、過ぎ去った夏の日と友達を反芻しているような歌。しかしメロディや歌詞に耳を澄ましていると「君」が単なる友人ではなく、好きだった人でもあることに気付く。そう思うと、「もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて」という歌詞がよけい切ない…

 Mirror (『深海』収録)

夕暮れの空へギター片手に歌う、「あなた」への「単純明快なラブソング」。 ややダークな『深海』では一番好きな曲でもある。誰かを思う気持ちが素朴に歌われていて心に響く。 「自分を見失う様なときは あなたが誰で何の為に生きてるか その謎が早く解ける…

 Go!Go! (『SMILE』収録)

困っている女の子の相談にのっていた「ぼく」の回想からなる曲。 いい感じに女の子との仲が深まったと思っていたら(「ぼく」にとっては)信じられないオチ。自分も守ってあげたいよな人には弱いので、なんだか人事に思えない。可笑しいが切なくもある歌詞で…

 グッド・バイ(『sweet』収録)

旅立つ「君」を空港で見送る歌。 空港までの二人の沈黙、搭乗ゲートの向こう側で一度振り返る「君」の姿、東の空に消える飛行機の翼の残像、これから続く別々の二人の暮らし。 通して聞いていると短編小説を読んでいるようである。 「君」が「ぼく」にとって…

 グライド(『呼吸』収録) / リリイ・シュシュ

どこか幻想的で浮遊感のあるメロディと声、切なく物哀しい歌詞が合わさって、聞き手を曲の世界に引き込む一曲。 映画「リリイ・シュシュのすべて」にて「ネットでカリスマ的人気のミュージシャン」という設定であるリリイ・シュシュが歌う。 映画を見た後、…

 真夏の夜のユメ

落ち着いたメロディと、ハスキーな声で繰り出される影のある言葉たち。耳を澄ませていると、なんだか心がしんとする。 夜中にふと目が覚め、暗いベッドの中で寝返りを打っていると内省的な気分になることがある。 窓の外の闇は深く、人も草木も眠りに沈み、…

 黄金の月 

ほろ苦い呟きのような歌詞と、淡々と繰り返されるメロディが心に響く一曲。 ラジオで耳にするうちに気になり、スガシカオ氏にはまるキッカケになった曲でもある。(歌詞はこちら) この曲で歌われているように、たぶん自分も含め大抵の人が、容赦なく過ぎる…

 風の歌を聴け×夏陰

「夏陰」を聞いていて、ふと村上春樹氏の小説「風の歌を聴け」を思い出した。 全く別の作品だけれどBGMに合うように思える。 海に近い街を舞台に、過ぎ行く夏を切なくほろ苦いタッチで描いた「風の歌を聴け」は、夏になると読みたくなる物語である。 また、読…