未来 

爽やかなサビと、それ以外のメロディや歌詞にややギャップがある。しかしねじくれたようなメロディ・歌詞が一転、夏らしい清涼感のあるサビにつながるところは爽快。(以下「」引用)


荒れ果てた場所でヒッチハイクをしている僕、という抽象的なメタファーで始まる歌詞は若干分かりにくいが、その描写には不思議と共感してしまう。


「誰も迎えに来ない ちゃんと分かってるって だけどもう少し待ってたい」
とか、そのくせ通りがかった人に最初こそ感謝したものの、
「女の話に相槌打つのも嫌になって 眠ったふりした」とか。
本当の意味はわからずとも、その心情にどこか覚えがあるような。
「生きてる理由なんてない だけど死にたくもない 
 こうして今日をやり過ごしてる」
なんて乾いた心情もふくめて。


恋についても、
「出会った日の僕らの前には ただ 美しい予感があって  
 それを信じたまま 甘い恋をしていられた」
というようにどこかほろ苦い。現在の僕らはそうではないことも伝わってくる。


こうして挙げていると後ろ向きでひねくれた曲のようだが、前向きな部分もある。そのさじ加減は絶妙で、ただ前向きなだけ、あるいは後ろ向きなだけの歌詞よりもずっと、聞き手の心に響くように思う。
下はこの曲のライブ映像。