始発列車 / ゆず (シングル『いつか』収録)

いつか

明け方の街で始発列車を待っている描写から始まり、歌詞は「君」とふたりでいた過去のイメージと、それを思い出す今の「ぼく」が入り混じる。
明るく軽快なメロディと裏腹に、なかなかに切ない。→歌詞全文はこちら


歌詞は全体的にいいなと思うけれど、
「言えなかった言葉 急に胸をしめつける 
 今さらどうにもならないのに」
「こんな事また思い出すなんて … 
 今夜で最後にしようと誓った夜もあったのに」
など、背景が特定されないせいか特にぐっとくる箇所がある。


しかしこの「ぼく」は、
「発車のベルがぼくを焦らせて 扉の向こう 君の思い出にさよなら」
「駅前の交差点の中 忘れかけてた君の思い出にさよなら」
という箇所にうかがえるように、思い出にただ囚われているわけではない。
むしろ別れを告げようとしている。


始発列車は夜の終わりと朝の始まりを表すものだが、ここでは同時に「君」と過ごした時間の終わり(その夜だけでなく、本当のさよなら)と「君」のいない日々の始まりを象徴的に表しているようにも見える。