サヨナラ

乾いた感じの、どちらかというと淡々としたメロディ。
にも関わらず、聞いていると妙に胸を締め付ける切なさがある曲。


互いに冷めてしまったことに気づかないフリを続けた挙句、ついに別れに踏み切る恋人同士のような状況が歌詞から浮かぶ。
それでいてまだ決心がつきかねるような。
そんな「ぼく」が自らを後押しするかのように「明日 サヨナラ」と繰り返す。


そして別れを告げる側の「ぼく」が抱える後ろめたさは意味深でもあり、分かるような感じもあり。たとえば、
「ちょっと勇気がいるよ バツの悪い言葉で 君にお別れを言うよ」
「ぼくのこと 世界中に悪く言ってもいいよ」。
あいまいな別れの予感を感じながら、言葉にすることをさけていた二人。そこへ「ぼく」がはっきり別れと切り出すことへの罪悪感だろうか。


「“ねぇ どれかひとつ あきらめたら ぼくらうまくいくかなぁ…”
  ずぶ濡れの心は 迷っていた そうずっと… 」
何かがほんの少し違えばうまくいったかもしれないこと、別れに迷いがあった「ぼく」の心境もほのめかされる。でも続く歌詞はやはり、
「だけど 君と 明日 サヨナラ」。


断片的な歌詞から、聞いているとつい、自分自身の別れにダブらせてしまう。
やけに切ない、やりきれない感じが強く印象に残るのはそのせいかもしれない。


こちらで視聴可能。