8月のセレナーデ

淡々としているが清涼感のある綺麗なメロディに、気の向くままに口ずさんだ独り言のような歌詞。夏の夜のBGMによく合う一曲。


「君」は多分「ぼく」の恋人だろうけれど、それにしては少々ドライである。
「もしも君がいなくなってしまったら たとえばネコやイモムシになってしまったら 
 メソメソと泣くよ でもそのうち 都合のいいネタにしてしまうかも」とか
「もしも君と友達になっていたら … ぼくは涼しい顔で 利用するだけして
 ゴミ箱に捨ててしまう」とか、サラリと歌われているが、よく聞くとブラックだ。


同時に、それでもまあ、うまくやって行こうか…なんて、曖昧にやり過ごそうとしているような雰囲気も漂う。ちょっとずるくて生々しい感じのラブソングである。


「ねえだから今日は そういつもより 長い電話をしよう
 なんとなく君に 後ろめたいから やさしくふるまっておこう」
「ねえだから今日は 散歩に行こう …
 月の光で たいていのことは 美しく見えるから」
このあたりの言葉のセンスがまた、いいなと思う。「君」との微妙な関係性もうかがい知れるし、曲を美しく締めくくっている印象である。


こちらで視聴可能。