たとえば朝のバス停で (『4Flusher』収録)

4Flusher
昔の級友や先輩、恩師や元上司など、以前は毎日のように顔をあわせていたのに今は会うことも無い人たちは結構いる。
ときどき、あの人達はいったいどこに行ったんだろう?と思うことがある。


この歌はそんな「いつの間にか会わなくなった人達」への呟きのような歌である。力の抜けたメロディや歌詞が好きで、よく聞き返す。電車などでこの曲を聞いて、ぼんやりとかつての知人達を思い出したりする。
「いまさら便りのひとつ 書けるわけもないし…」などに表される微妙な距離感に「あるなあ、こういうこと」と思ったり。


たとえば朝のバス停で、夜の地下鉄で、踏切で、公園で、「ぼくはもう一度だけ あなた(君)にあえるかな」と繰り返し歌われているが、切実な「会いたい」でなく「会えるかな」というさりげない感じがいい。


「名前も知らずに それきりになった人」というくだりもあるが、意外とそういう人が長く頭に残ることはある。
私も以前、なんとなく話をしてみたいと思いつつ、会釈を交わした程度でそれっきりになった人がいるが、今でもおぼろげに覚えている。確かにそういう人にも(まあ無いだろうとわかりつつ)もう一度会えるかな?と思ったりする。