音楽

 冷たい頬(『フェイクファー』収録)

優しいメロディと少し切ない歌詞が春らしい一曲。 草野マサムネ氏の書く歌詞は、現実的で抽象的、繊細で骨太、プラトニックでエロティック…といった相反する要素が混在している。 純粋と狂気の境目も感じさせ、不思議な作風だが、独特の魅力を感じる。 この…

 光の川(「TIME」、best盤収録)

ヘッドライトの光の川のなかで、束の間「君」を見かける。 でも何を言えるわけでもなく、再び遠ざかっていく。 そんな一瞬のすれ違いを歌った歌。 渋滞の最中に、他の車の助手席にいる「君」とゆっくりすれ違う。 そんな状況でも「見まちがうわけはない」人…

 桜並木(『Smile』に収録)

最近、風に花の匂いを感じることがある。春が近づいているのだろう。 春はいつも、浮き足立つような憂鬱なような、淋しいようなワクワクするような複雑な気持ちになる。 新しい学校やクラス、新社会人になった時など、生活がいっぺんに新しくなった時のドキ…

 IN MY LIFE (『1962-1964』収録)

静かで穏やかなメロディと、過去への思いと現在の大切な人への気持ちを歌った詞が印象的。 このアルバムを手に取ったのは村上春樹氏の小説『ノルウェイの森』がきっかけだった。 ややクセのある「ノルウェイの森」も良かったが、個人的にはこの曲のほうが小…

 ユビキリ(『sugerless』所収)

守れなかった約束を思い、その相手へ語りかけるような歌。 静かで綺麗なメロディと独特の掠れた声が、より切なさを盛り上げる。 「校舎」「プール」「帰り道」といった歌詞の断片が、どこかノスタルジーを誘う。 子供の頃には、ときどき友達や家族と指きりを…

 魔法のコトバ

初恋のようなイメージの可愛いラヴソング。 聴いていると、恋をしている時、特に誰かを好きになったばかりの頃はこんな感じだなあと思う。 片思いのようにも、付き合い始めたばかりの二人のようにも見える。いずれにしても恋のはじまりの感じがよく伝わって…

 夏陰 

タイトル通り、静かな曲調と陰影に富んだ歌詞から、夏の終わりの少しさびしいような雰囲気が味わえる。 スガシカオ氏の書く歌詞は、ドキッとする言葉を挟みつつ、心にすっと入り込んでくる。 聞き手に考えを押し付けない、小さな呟きのような、それでいてほ…