ユビキリ(『sugerless』所収)

Sugarless
守れなかった約束を思い、その相手へ語りかけるような歌。
静かで綺麗なメロディと独特の掠れた声が、より切なさを盛り上げる。


「校舎」「プール」「帰り道」といった歌詞の断片が、どこかノスタルジーを誘う。
子供の頃には、ときどき友達や家族と指きりをした。他愛もない、もう内容も思い出せない約束。
指きりというと大体そんな幼いイメージだ。


でもこの曲の「ユビキリ」はとても切ない。
約束を交わした相手は友人なのか、恋人なのか、好きな人なのか。どんな約束だったのか。歌詞からは分からない。
ただもう会うことも無いような(死別も思わせる)相手で、果たせそうもない約束らしいことがわかる。


私も今まで様々な約束を交わし、いくつかは守ることが出来なかった。
守れなかった約束を思うと、ふと切なくなったりもするが、そんな自身の「約束」の記憶を重ねてしまいそうな一曲である。