私の美の世界 / 森茉莉


独特の古風な文体で綴られる、日常のあれこれ。
話題は料理にお菓子、雑貨や服や文学、時事問題まで。
漢字使いなど独特で、美しい日本語だなと思った。
初版1968年と結構古いが、今でもおかしくないような鋭い意見の綴られている章も多く、結構読み応えがある。特に好きな章について。

  • 香水について

冒頭の引用文にとても共感を覚えた。香水以上の香りがあるというところにも。
私も、イメージに合った香水を使う女性を素敵だとは思いつつ、自然で清潔な香りの方につい惹かれてしまう。
しかし作者はそうは言いつつもお風呂上りに清潔な下着やハンカチの隅にほんの少しだけ香水を振りかけるという。
なんだかお洒落で優雅に思えた。


この章含め、美意識を持って日々を暮らす姿に少々憧れを感じた。