ひみつの階段 / 紺野キタ

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女子校の古い校舎や寄宿舎で起こる、不思議な出来事を1話完結で描く。
可愛らしい絵柄と、心温まるストーリー展開がいい。特に好きな話を。


「物語をきかせて」
学校の不思議な現象や逸話を収集する「奇談倶楽部」の少女・山口と、小説家志望の少女・安藤(安ちゃん)のお話。
山口が安ちゃんの小説を見ての
「小説って読むだけでなく創るものでもあるんだねえ 
 この学校にこんな子がいたなんて ちょっと感動」
という言葉に、(こんなに身近ではないが)日頃よく見かけていた人が作家と知った時、似たように思ったことを思い出した。


印象的だったのは、奇談倶楽部にいるものの不思議な体験はないという山口が
「直接聞けたらいいのにな お話をきかせてって」
と校舎の壁をトントン叩いた後
「安ちゃんもだよ どうぞ お話をきかせて」
と安ちゃんの胸元をノックして微笑み、タイトルが重なるところ。
なんだかすごくいいな、と思った。


またこの二人が数年後、それぞれ母校の教師とOL兼小説家として再登場する「冒険はおわらない」も好きな話である。
少女でなくなった彼女達の会話は、また別の意味で心に響いた。