女子と鉄道 / 酒井順子

女子と鉄道
全国各地の沿線を乗車しての感想はもちろん、そこで見かけた鉄ちゃんたち、Suica、駅係員の制服のデザイン、女性専用車両、車内犯罪である痴漢についてまで、細やかな考察が楽しめる。


鉄道にはどこかロマンや旅情を感じる。
沿線名や電車の系統(キハXX系とか)には詳しくないものの、古い列車や無人駅に愛着と郷愁を感じ、あてもなく列車に揺られて遠くへ行ったり、珍しい列車に乗ったりするのはワクワクするので、酒井氏に近いレベルの鉄道好きかもしれない。


なので、鉄道がテーマながらマニアックすぎない本書は読み易く、面白かった。
様々な沿線が登場し、読んでいると旅心を刺激される。
ただ現在は廃線となった線もあり、同じ列車に乗ってみたいと思っても叶わないものもある。
特に惹かれたのは、残念ながらいずれも廃止となっている寝台列車だった。
あと、列車ではないが東京ステーションホテルにも惹かれた。
東京駅にある素敵なホテルで、泊まってみたくなったが、2006年から5年間休業とのことで残念である。