月館の殺人(上・下) 

月館の殺人 上 IKKI COMICS
月館の殺人 (下)??
巧妙に伏線が張られ、かつ回収されていて、結末に唐突さはなく読み返しても納得がいく。
ただ、それだけに犯人推理の決め手になる出来事(詳しくは控えるがナイフ絡みの一件である)について、少々無理を感じるのが残念。


個人的にはメインストーリーより細かいネタが面白く、佐々木ファンとしては満足できる作品だった。
鉄道に乗ったことがない空海の妄想(走り去る電車に乗って恋人に手を振ったり、座席で老夫婦に何かもらったりする)での「←誰?」など佐々木さんらしい冷静なツッコミに笑った。


またテツたちの半端じゃないマニアっぷりもツボ。
皆キャラ立ちしていて、彼ら同士の会話も、それに呆れる空海の呟きも可笑しい。
彼らのテツっぷりはもはや尊敬できるような、でもしたくないような。


あと、背景や小道具、台詞のひとつにも鉄道マニアが見ればわかるネタがあるようだ。
残念ながら私には分からないものが多いが、自身もテツである本誌編集長の解説もある。