村上朝日堂の逆襲

村上朝日堂の逆襲 (新潮文庫)
村上春樹氏の2冊目のエッセイ集。
執筆当時の時代を感じる時事・流行的記述もちょこちょこあるが、ほとんどは日々のあれこれや好き嫌い等をのんびりと綴っているので今読んでも楽しい。
印象的だった章について。

  • 小説家の有名度について

村上氏が(当時)街中で気付かれ声をかけられるのは年に1回ほどだったのが意外だった。
でも名前や作品は知っていても顔を知らない作家は多い。
有名になっても、ある程度匿名性が保たれる職業なのかもしれない。

  • 春樹同盟

編集者から「春樹求む」という貼り紙を中野区で見たと聞き、いぶかしがる村上氏。
なんだかこの話は、「夜のくもざる」に収録されそうなシュールな短編のプロローグのようである。
真相は謎のままだけれど、村上氏の想像が可笑しかった。